LPWAへの取り組みについて

いわゆるLPWAに分類される無線方式でメジャーなものに、NB-IoT、Sigfox、LoRaWAN、等がありますが、参入のハードルが低そうな割に、構成要素の技術やビジネスが比較的オープンで今後拡大が見込める予感がある、という理由でLoRaWANに注目しています。というわけでLoRaWANのインフラ普及を目指しておられるSensewayさんのセミナーに参加してきました。内容はLPWA, LoRaWANの概説とハンズオンです。ハンズオンは具体的には

・LoRaWAN shieldをArduinoで制御してセンサーノードにする
・Senseway社のゲートウェイ、network server経由でMQTTサーバに繋ぎ
・最終的にはNode-REDによりデータを吸い上げる

というものでした。

当社の取り組みとしては、LoRaWANセンサーノードを作る前に、まずEnOcean –> LoRaWAN shield –> gateway –> network server –> MQTT server –> スマホかPCで受信、の流れを作るのが急務と考えています。理由は、アプリケーションを決めてセンサーノードのハードウェア(ケースや回路構成特に消費電力)、ソフトウェアの開発や最適化を進めていくには基礎実験基礎開発が必要でしばらく時間がかかりそうなのと、3G/LTEベースのゲートウェイが機材や通信コストの課題があるのをLoRaWANに置き換えられれば解決できそうな気がしている、その2点です。

随時開発状況をオープンにしたいと考えています。

IoT dev-bench

開発の狙い、意図

  • いわゆるIoTの完結したシステムを構築し、実証実験や構成要素毎の開発が容易にできるようにする。
  • 初期の構成要素は、短距離無線センサーノード、(センサーノードを兼ねられる)広域ゲートウェイ、クラウド、情報端末(可動部を付加できる)、とする。

構成要素の概要

  • 短距離無線センサーノード:BLE, EnOceandefaultとするが、その他無線方式も付加できる。センサーノード向けに低消費電力に改造したArduino互換機をベースに考える。
  • センサーノード兼広域ゲートウェイ:3G/LTE, LPWA(LoRaWAN)をdefaultとする。センサーノードにもなるようにArduino/Raspberry Piのハイブリッド型を考える。
  • クラウド:当初はメールのみ。情報の蓄積・分析等のニーズに応じて拡張する。
  • 情報端末:スマホまたはPC。メカ的な動作が必要な場合にはラズパイなどを使う。

ソフトウェアはニーズに大きく左右されるので、当初はハードウェアの動作確認、センサー等の実証実験ができる程度のものと考えている。

新プロジェクト始動!

今までの技術蓄積の集大成として、”IoT”の1つの完成形をお見せするべく、新プロジェクトを始めることにしました。

センサーノード、ゲートウェイ、クラウド、スマホアプリ、等々を同時並行的に開発していく、言うなれば”IoT mother system”です。この母親がいい子供達を産んでくれることを願っています。

開発過程をstep by stepでお見せしようと考えています。

 

STM429Jにソーラーセルを外付けしてみた

STM429Jのdata sheetによれば
・内蔵キャパシタが空の状態から400 luxで2.5min以内に発信を始める
・内蔵キャパシタが満充電だと6日は動作し続ける
とあるが、①一般的にトイレの明るさは200 luxくらいしかない、②一般家庭はともかくオフィスや公衆トイレだとドア開閉の頻度が高い、③ドアセンサー(リードスイッチ)以外に外付けのスイッチやセンサー(例えば人感センサー)を繋ぎたい、等々の要望を聞くことが増えてきました。大容量の電池を内蔵すれば解決するケースもあるのでしょうが、大量に導入する場合は電池交換の手間も問題になって来ます。そこで、大面積のソーラーセルを外付けしたら仕様がどのように変わるかを把握することにしました。

続きはこちら

 

 

3G,LTE,LPWAと電源

前項は、「Raspberry Pi + USBドングルで3G/LTE接続して、センサーノードまたはゲートウェイを作りましょう」という記事でした。

ここで抜けているのがコストと電源です。コストは今後考えるとして、Raspberry Pi + USBドングルが電池駆動できるのか?がみなさんの関心事でしょう。当社は以下の選択肢があると考えています。

1)Raspberry Pi + USBドングルはAC電源前提のゲートウェイと割り切る。ACケーブルが苦にならないならセンサーノードとして使うこともあるでしょうけど。省エネセンサーにはエナジーハーベストや電池駆動のものがあるのであえてRasPiを電池駆動しようとはしないと言うことです。
2)Raspberry Pi + USBドングルを電池で動かすことにこだわる。間欠動作させるなどして電力消費量を削減することをまず考える。
3)電池駆動が必要な場面ではWio LTEなど、Arduinoベースの電力消費の小さい基板で対応する。つまり主流から外れる特注としては仕事を請ける可能性がある、ということです。(これに注力するとRaspberry Piベース機種がおそろかになる)
4)Arduino他、LPWAが使えるものを利用する。インフラが整うまではピアツーピア、これも特注ということです。これもすぐビジネスにはならないので今現在注力するのは難しいです。

つまり、汎用品としては

1)AC駆動のRasPi + USBドングルをセンサーノードとして使ったりゲートウェイとして使ったりする
2)RasPiをゲートウェイとして使う、省電力のセンサー群をオプション設定する

のが当社の基本スタンスということです。

 

3G, LTE, LPWA

センサーやゲートウェイを公衆網に繋ぐには 有線LANやWi-Fiもありますが、これらは使える場所が限定されるのと、接続する相手が様々で機器の事情に疎い人が簡単に接続できるものではなく、ネット販売には向かないという当社の事情もあって最初から考慮に入れません。つまり3G/LTEを使うことを大前提にして、今後のLPWAも頭の隅に入れておく、というスタンスで臨みます。

次に前回書いた、機器構成として、センサーノードを直接3G/LTEに繋ぐのか、ゲートウェイが仲介して繋ぐのか、の選択になります。専用機は各自調べていただくとして、一般に売られている機器でやろうとすると以下の選択肢があります。

1)Arduino/Raspberry Piに3G/LTE機能とセンサーを付加して3G/LTEに直接繋がるセンサーノードとする
2)Raspberry Piに3G/LTE機能を付加してゲートウェイとする。Arduinoでゲートウェイを作ることは考えない。センサーノードは別途。

3G/LTE機能で市販されているものには、ArduinoベースだとWio LTEなど、Raspberry PiならUSBドングルや専用基板があります。

Arduinoベースだとゲートウェイにしづらいのと、Raspberry Pi専用の3G/LTE基板は高価、ということもあって、当社ではRaspberry PiにUSBドングルタイプの3G/LTEモデムを挿して使うことをお薦めしています。Raspberry Pi+USBドングルでセンサーノードを作ることもできますが、EnOceanとかBLEのセンサーを使ってゲートウェイにもします。

今後3G/LTEをLPWAに移行する場合もRaspberry Piにしておけばまず大丈夫でしょう。センサーをArduinoベースにするのは主にコスト、サイズなどを最適化するフェーズになってからです。

センサーノードとゲートウェイ

今後どのジャンルの技術開発に力を入れるべきかを考えるために、まず無線センサー・システムの機器構成を整理して見ます。まず初めに大きな選択肢が次です。(ここでは最終的に公衆網、クラウドに繋ぐことを前提としています)

1)無線センサーから直接公衆網に繋ぐ
2)無線センサーからゲートウェイを経由して公衆網に繋ぐ

1)だと無線センサー自体が3G/LTE/LPWAなどの機能を有する必要があるため、バッテリー容量やコスト、サイズなどが問題になってきます。センシングしたい場所が一箇所だけならこれでいいでしょう。
2)ならセンサーノード自体は小型で省電力のものが使えますから、複数のセンサー群+ゲートウェイ、にしたい場合の選択肢でしょう。

次に、センサー、ゲートウェイが空間を移動するかどうかです。以前書いたように、移動する人や車に設置することは大手各社さんが考えることなので、当社では位置が固定しているものに絞ります。

というわけで、次には、1)にも2)にも共通ですが、3G/LTE/LPWAのセンサーネットワークの実現可能性について考察することにします。

技術開発の方向性について

当社はセンサーの将来像として次のイメージを持っています。

・スタンドアロンであること。つまりケーブルレス=電池か自己発電で通信は無線ということ。
・電池の場合、最低1年は交換せずに済むこと。自己発電なら5年以上はメンテナンスフリーでいて欲しい。
・情報量の大きさとして、動画が連続して送れるくらいは欲しい。現実的には当面粗い画素でフレームを間引きするのはやむを得ない。
とここまで書いて思いましたが、スタンドアロンで長期間リモートセンシングするって人工衛星とか惑星探査機に近いですね。

これを究極の目標とすると、解決しないといけない課題は大雑把に次のように分類できます。

(無線)コストパフォーマンス、使い勝手の良い方式を選択する
(センシング)適切なセンサーの選択とその使い方で消費電力を極力抑えること
(情報処理)限られたバンドで動画等大量の情報を送れる処理
(消費電力削減・電源)高密度・高耐久・高安定な電池、電源回路

他にもデータ圧縮とかセキュリティとか、ノード側(最近はエッジというらしい)である程度の処理、例えば人を認識したら人数として送るとか、の処理も視野に入ってくるのでしょう。もちろんコストや入手性は重要です。

開発リソースは多くないので幅広く検討してどこに注力すべきか決めていこうと思います。