ゲートウェイについて(その3)

前回まで、ゲートウェイの主にハードウェアのラインアップについて書きました。

ゲートウェイとは異なるプロトコル、つまりEnOceanとその他のプロトコルをつなぐためのものなので、ソフトウェアについて触れないわけにはいきません。

一括りにソフトウェアと言っても、

1)ゲートウェイそのものを規定するソフトウェア

2)ゲートウェイの出力、つまりセンサー・スイッチから上がってくるデータを受けるソフトウェア。クラウドとかサーバで動くものです。

3)クラウド・サーバからデータを受けて表示する、もしくはアクションを伝えるヒューマンインターフェースを受け持つソフトウェア。これを細分化すると、PCやスマホ、タブレットのOS、アプリケーション、ブラウザ等になります。

それぞれの要素がそれぞれの事情を抱え、思惑もあり、なかなか「これで決まり」とはなりそうにないですが、当社のようなリソースが少なくて、大手企業への影響力が弱い企業が、埋没せずに、下請けにならずに、独立して事業展開しようと思えば、「仕様がオープンなもの」を選択せざるを得ません。

と言う条件を加えると、以下の回答になります。

1)ゲートウェイはオープンソースのハードウェア・ソフトウェア。具体的にはArduinoベースか、Linuxベースになる。

2)クラウド・サーバはお客さんが用意してくれるならそれでよし、そうでなければLinuxベースになります。

3)ここがやっかいなところですが、PCからスマホ、タブレットへの流れから、OSはWindowsからiOS、Androidに移行しつつあります。ところが前者はアップルの、後者はグーグルの支配下から逃れられません。

そんな状況の中、最近Firefox OSで動くスマホがKDDIから出たのでこれに注目しています。スマホ上で動くアプリケーションは全てHTML5で書く、ということです。

HTML5で書いておけば、OS依存から逃れられる。つまりアップルやグーグルの支配から逃れられる可能性が見えてきた、ということです。

というわけで、しばらくHTML5から目が離せません。

 

ゲートウェイについて(その2)

前回、無線LANゲートウェイについて書きましたが、その他にもご要望がある度にいろんなゲートウェイを作ってきました。

1)LANゲートウェイ

Ethernetにつなぎます。ハード的には送受信とも大したことがないのですぐつながるように思われがちですが、一番厄介なのがそこに載せるプロトコルです。EnOceanのシリアルプロトコルであるESP3をTCP/IPに載せることを基本として、お客様毎に、HTTPに載せてWebアクセスしたり、SMTPでメールを飛ばしたり、というようなことをカスタマイズして対応しています。

2)リレースイッチ

ゲートウェイのジャンルに入れていいものか迷いますが、接点出力を持つものです。EnOceanが照明等ビルオートメーション分野で普及しているため接点ははずせません。この延長でDALI(Digital Addressable Lighting Interface)があります。

3)3Gゲートウェイ

今後有望と思われるゲートウェイです。用途が高齢者見守り、簡易セキュリティ、農業関連、インフラ監視、等々多岐に渡ります。

以上が当社で対応可能なゲートウェイです。

シリーズが充実し始めた

EnOceanをやっていると、リレースイッチの問い合わせが多くあります。

欧米でもEnOceanは照明やブラインドなどの制御に使われるのが一般的だからですね。

汎用的に作るより、お客様に合わせてカスタマイズした方が最適なものができそうなので、イージーオーダー的なアプローチをしてみることにしました。標準モデルを使ってもらって、丈や袖を詰めて、ボタンをつけかえてネームを入れる、という具合です。

 

ゲートウェイについて(その1)

今回からしばらく「ゲートウェイ」について書くことにします。

ここで「ゲートウェイ」とは、異なるプロトコルをつなぐ装置、のことを言います。EnOcean無線が「ラストワンマイル」(注)の規格であるのと、マイナーな無線プロトコルであるのとで、EnOcean製品を扱い始めてすぐゲートウェイの問題が表面化しました。レストランにあるオーダーベルはボタンを押して限られた範囲に音と表示が届けばいいですが、これだけやってるわけにいかないですから。

開発者向けにはPCに挿して使える受信機、USBドングルタイプのUSB400Jがあるのですが、実際に運用する際にPCを24時間専有して稼働させるわけにはいかない。そこでインターネットにつなぐために、EnOceanの情報を有線LAN、無線LAN、携帯網(3G~)へつなぐ専用のハードウェアを企画することにしました。

まずどれから着手するかですが、決める観点としては、実現の容易さ(←絵に描いた餅では意味ない)、使いやすいか、そして価格、でした。この時点で3Gは候補から落ちました。なんせ技術的にも調達するにもハードルが高かった。(ところが最近状況が変わってきたので次回以降にそこらへんの事情を書くことにします)

次に有線か無線かですが、作る側からするとそれほど差はありません。本体コントローラから見てデバイスの見え方はハード的にもソフト的にも大きくは変わらないからです。価格の面で言えば、モジュール単体で見れば無線LANの方が多少高めですが、既にどこにでもアクセスポイントはあるし、有線はケーブル代や工事などが必要で場所も固定されるのでトータルで見ればコストは互角でしょう。

ただ一点決定的な違いが、無線LANは情報機器に詳しくない人が最初に物理的に接続するのが難しい、ということです。有線ならコネクタを挿すだけで、それ以上の設定はメーカがソフトウェアで頑張ればいいのですが、無線だと最初の接続がうちの母親のような全くの素人にはできない。

と言うわけで、無線LANゲートウェイは悩みに悩んだ末、Webサーバを内蔵してWebブラウザで設定する今の方式に落ち着きました。これなら技術サポートがお客さんと同じ画面を見ながら電話で指示できますから。

(注)ラストワンマイル:マイルというのが米国発祥の言葉であることを匂わせますが、世界中に張り巡らされたネットワークの一番端っこ、という意味です。ここはあまりに数が多く、しかも仕様が千差万別で標準化がなかなか進まないところです。今やIoTと言う言い方をして、大手メーカがここを狙い始めています。

年頭所感

皆様、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

年頭にあたって年頭所感なるものをしたためてみました。

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昨年はいろいろ物騒な事故・事件があいつぎました。御嶽山の噴火については個人的にも関わりがあったため死ぬまで忘れえぬ事件であり、大自然の前に人間は小さな存在であるという思いを強くしました。そんな自然環境や激しく変わりつつある社会環境の中で人々が安心・安全に暮らしていくためのテクノロジーを提供していくのが自分の残された人生の使命だろうとも決意を新たにするのです。

さて以下には当社ビジネスに関係することを書きます。

当社の属するIT・無線業界で流行ったキーワードとして、M2M/IoT(IoE)というのがあります。PCや携帯端末がネットに繋がった次は今まで情報機器とはみなされなかった、家電や家や車やその他全ての”モノ”をネットに繋げてビジネスにしようという動きです。

当社はその中で無線センサー・スイッチをエナジーハーベストで実現可能なEnOceanの実用化に注力して来るべきM2M/IoT(IoE)を実現すべく事業を展開しております。

もう一つ大きな動きとして”Makers”というのがあります。個人や中小零細企業が、既存の大手メーカーが手を出さなかった、出せなかった、小ロットで特徴のある(時には奇抜な)商品を企画、生産、販売する動きです。

このジャンルで当社も貢献し存在感を増したいとの思いから、”Makers”の分野でリーダー的存在であるスイッチサイエンスさんに販売委託を開始いたしました。お陰さまで当社の認知度も向上し、お引き合いも頂けるようになり、今年ますます商品の充実を図ろうと計画しているところです。

というわけで、今年はエナジーハーベストによるM2M/IoT(IoE)機器の実用化元年になります。させます。

今年もよろしくお願いします。

2015年正月

M2M:Machine to Machine

IoT:Internet of Things

IoE:Internet of Everything