「OSI参照モデル」初学者用概説

ネットワーク、プロトコルの勉強をすると、書籍の最初の方に「OSI参照モデル」について解説してあります。

基礎知識がないときに高度に抽象的な概念を獲得するのは苦労します。

ここでは「OSI参照モデル」を初学者が直感的に理解できるような解説を試みました。

技術的に不正確な表現が多用されていますが、「初学者が直感的に理解できる」ことを第一義として書いたので上級者の方は目をつぶってください。

まず、お互いに正しく通信するにはプロトコルの各階層で約束事を守る必要があるということは理解できているものとして話を進めます。例えて言うなら、手紙なのか電話なのか電子メールなのか。日本語なのか英語なのか。夕飯の相談をしているのか新聞記事について話をするのか。等々です。

正しく通信するためにはどうすべきか?を順を追って説明する関係上、一番下の物理層から説明します。

1.物理層
目で見てさわれる一番直感的にわかりやすい階層です。有線と無線では直接つながらない。USBコネクタと電話線コネクタはつながらない。ここを合わせろ、ということです。

2.データリンク層
ここから上が論理層、つまり0か1かの世界です。しかもメディアは1つ、つまり電線は一本、無線の周波数は1個、の中の通信です。この中で正しく通信するには物理的に固定的なアドレスが必要です。

3.ネットワーク層
複数のメディアを跨って遠く離れた二者間の通信を行えるようにするための階層です。この階層でユニークなアドレスが必要です。

4.トランスポート層
通信路の信頼性を確保するための階層です。例えば、電話で話をしている際、聞き逃したからもう一度、もしくは続きはメールで、というようなやり取りを行って信頼性を上げます。この階層までが合っていれば正確な情報伝達はできると考えられます。

5.セッション層
対話の同期を取る階層です。
A:おはよう
B:おはよう
・・・
A:さようなら
B:さようなら
というような会話の一連のひとかたまりの決まりごとです。この階層から上は1つのコンピュータ内のソフトウェア間の決め事です。TCP/IPプロトコルではセッション層を含む上3つの階層はひとかたまりで区別がありません。

6.プレゼンテーション層
データの表現方法を合わせる階層です。文字コードにはいろいろ種類があることをご存知でしょうか。画像フォーマットにもいろいろありますね。これを規定します。

7.アプリケーション層
人が直接操作し、目に触れる階層です。Webブラウザとメールクライアントでは直接会話できませんがこれを合わせる、ということです。

以上、非常に大雑把な説明でしたが、直感的なイメージが頭にあれば、正確な技術書の理解も進むと思います。

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