今年の初めにこんな文書を書いていました。
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私は根っからの技術者ですが、会社立ち上げのさなかということもあって、最近はめっきり営業マンになっています。仕方なしにやっていても一生懸命やっているうちに面白さに目覚めた、という感じでしょうか。
大手企業の技術部門にいると、自分の技術を磨くことが仕事なわけで商品企画や営業部門とはたまに打合せはあるものの、どうしても他人事に思えがちです。しかし少人数で仕事をしていると、商品企画や営業活動が企業の生死を分けるので必死です。
ついこの間、よその会社の営業に面会を申し込まれたので時間を作って待っていたら時間になっても連絡がない。しかたないのでこちらから連絡したら近くにいることがわかり、玄関で待っていたら車を運転している顔を見たので事務所に引っ込んで待っていたら10分経っても入ってこない。また玄関に戻って見たら携帯で話し込んでたんですね。そんなにそっちが大事ならアポ取るな、と言ってその営業は追い返しました。こちらが他の会社に営業できた30分以上が無駄になったわけです。あまり人から厳しく言われたことがないのでしょうが、彼にはいい薬になったんじゃないでしょうか。
営業はちょっとしたことでも客を怒らせたら取引がゼロになるかもしれない厳しい世界です。また企画面では売れもしないものを作ったら開発費や在庫など金額的な損失も大きいですが、それまでの時間が無駄になります。
最近は、お客さんと直に接する時間が長ければ長いほどいい商品ができる気がするので、営業にも力が入ります。
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ここから本日。仕事柄、似たような境遇の方(つまりベンチャーとか中小零細企業の社長さん)とお会いします。技術畑を歩んでこられたか、根っからの営業畑だったのかは話していてすぐわかります。しかし小さな会社をやっていて思うのは、会社というのは技術や取引先も大事なことは間違いないが、営業力がほぼすべてを決める、ということ。いくらいい技術を持っていても、人材やネットワークを持っていても、売り込まないと始まらないわけですから。
というわけで、技術畑しか知らない人が独立するのは非常にハードルが高いが、技術を知っているし営業もできる人は無敵です。私もそうなりたい。