EnOcean無線を電池駆動する(その1)

(2016.10.17 posted)

EnOceanは電磁誘導やソーラーセルなどのセルフパワー、エナジーハーベストによる電源で駆動させられるくらい超低消費電力で無線が飛ばせるところに特徴があり、魅力があります。

しかしながら昨今多数のお客様から、「無線センサーをエナジーハーベストが使えない(常時暗いとか)ところでも使いたい。電池を使って構わないが10年くらいは使えるか?」等のご質問・ご意見・ご要望を頂くことが増えてきました。

そこで仮にEnOceanを電池駆動するならどんな電池が相応しいのか検討を始めました。

まず手始めに、最適化(小型化)は後回しにして、コスト・入手容易性・サイズもそこそこ、の理由で、単三電池(直列で2本使う)の電池容量を測定したのが次のグラフです。

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これは縦軸が電圧、横軸が時間の放電カーブと称しますが、1週間程度で放電させるため実測で557ohmの抵抗を外付けしてあります。

本来は積分しないといけませんが、ざっくり5.65mA x 226hours = 1.28Ah

という計算になります。

 

開発のご相談の前に(EnOcean向きの応用例とは)

created 2016.10.6
updated 2016.10.7

EnOcean無線を使った新規開発の依頼を頂くことが多くなりました。お問い合わせにはできるだけ対応させて頂いておりますが、事前にご自身で検討されるときのために、EnOcean無線の特徴が生きるセンサーやスイッチとはどんなものなのかを簡単に説明しておきます。

EnOceanを使った無線センサー・無線スイッチの既存の完成品の中で、EnOceanの特徴が一番生かされ完成度が高いのは、

①電磁誘導発電による無線スイッチ
②ソーラー発電によるドア開閉センサー

だと個人的には考えています。理由は、超低消費電力を実現するために、どうしても必要な時だけ起電して電力を賄うような設計になっているからです。例えば

①は通常は全く電力を発生も消費もせず、スイッチを押したときだけ発電して無線を飛ばし、その後は再び電力を全く必要としません。

②は常時ソーラーセルで発電し、蓄電し、十分な明るさが得られないときは蓄電池から放電しながら給電していますが、常時電力が必要なのは死活監視用タイマーだけです。ドアが開閉もしくは死活監視用タイマーをトリガーにしてCPUに電力が供給されて無線を発信するようになっています。

つまり、

①検出したい動作で起電し無線を発信する、もしくは

②環境発電素子による微小電力で賄えるセンサー素子と無線送信間隔

の条件が満たされるケースが超低消費電力の無線スイッチ・無線センサーに相応しい性質と言うことになります。従って、「検出したい動作検知やセンシングのための電力消費量が大きいもの(スイッチ・センサーの消費電力>>無線発信の消費電力)」の場合、BLEであってもWi-Fiであっても消費電力に大きな差がつかず、無線の消費電力が極端に小さいEnOceanの利点が生きないと言うことになります。

お分かりいただけたでしょうか。

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