相互接続性について(その1)

3Gゲートウェイの話題についてはSIMが来るまで一休みするとして。

有線・無線を問わず通信関係の仕事をしていると、どのメーカのものでも相互に繋がる「相互接続性」が気になります。

「相互接続性」の身近な例では、国内でAC100V電源は、通常気にすることなくどのコンセントにもプラグが刺さって電源が取れます。JISで規格化されているからですね。

ところが私の関わっている、半導体チップ、基板モジュールのレベルになると、「相互接続性」がぐっと下がります。

最初に問題になるのが物理的な接続。つまりピンやソケットなどです。初めから半導体や基板モジュールに最適なマザー基板を設計するつもりならそれほど気にすることはないですが、1つか2つ作って動作試験をしたいとか、ソフト開発を先行するのにプロトタイプが数個欲しいとかのとき困ります。

電子回路のプロトタイピングはシリコンバレーが発祥地と思われ、「ブレッドボード」や「ユニバーサル基板」はヤードポンド法の2.54mm(0.1inch)ピッチが主流です。

2.54mmで事が足りていた時代は良かったのですが、半導体やそのモジュールが小型化して、次世代のプロトタイピングがどうなるか混沌としてきました。

ヨーロッパ系の半導体のためにメートル法の2mmピッチの基板が出始めています。2.54mmとの互換性を重視して1.27mm(0.05inch。ハーフピッチと称する)のものも出始めています。

2.54mmピッチの「ブレッドボード」や「ユニバーサル基板」はこのまま残り、2mmや1.27mmに全てが置き換わることはないでしょう。なぜなら2mmや1.27mmだと手作業がしにくいからです。日本含む先進国では技術者が高齢化しており、細かい仕事が苦手なはずだからです。

つまり、高密度の半導体や基板モジュールを「ブレッドボード」や「ユニバーサル基板」に載せるための、2->2.54/1.27->2.54への変換基板の需要は当面なくならない、と読んでいます。

(因みに「ブレッドボード」とは「パンを焼く板」に釘を打って回路を組んだのが語源らしい)

次回は電源について書こうと思います。

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