アーミン株式会社は2014年9月に創業したばかりの日本初の”Self-powered wireless”専業会社です。“アーミン(Ermine)”とは日本語で”オコジョ”と呼ばれるイタチの仲間で、日本では信州と北海道にしか住んでいない、愛らしい容姿にも拘わらず俊敏で獰猛な小動物です。省エネルギーで、すばしっこく、たくましく、人里離れた森の奥で自立して棲息しているアーミン君に名前を借りました。
創業者である私は長年、小電力の無線機器を手がけてきましたが、電池にまつわるトラブルに頭を悩ませてきました。電池交換が手間、電池を在庫するのが手間、電池の接触不良や液漏れがある、電池のサイズや形状で無線機のデザインが制約される、等々です。例えば電池を要する送信器が365台あって、電池切れの度に交換していたらそのうち毎日電池交換することになりますよね。じゃ年に一度、一斉に交換するとなると、まだ使える364個を捨てることになる。それが世界中で起きたらどうなる?
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私が心のメンターと崇める故スティーブジョブズ氏がスタンフォード大学の卒業式で行なった有名なスピーチがあります。
その中で、connecting the dotsという話が出てきます。大学を中退して興味を持ったcalligraphyがその後のMacintoshのマルチフォントの開発に繋がっていく話です。今やっていることは何年後かに繋がって行くことを信じて何にでも興味をもって取り組もうというような話です。この動画を見ながら私はこんな話を思い出しました。大学生時代、生協(大学構内のショッピングセンター)にいわゆる”パソコン”の展示がたくさんあり、そこのスタッフと仲良くなって入り浸っておりました。そのとき見かけたシーンです。
アフリカのどこかの国からの留学生が、電卓のコーナーで、とある電卓をじいっと見つめて動かない。スタッフが声をかけると、この関数電卓が欲しいのだが国に帰るとそれに必要なボタン電池が売ってない。普通の電卓ならソーラー型のはあるのだが、関数電卓でソーラー型はないのか?とのこと。日本から外に出ると電池が容易に手に入らない国があるのだ、とそのとき認識しました。
それから30年。「電池不要」という点が繋がりました。
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アーミン株式会社CEO 服部俊幸