STM429Jの消費電力測定

2018.3.19
STM429J(STM250Jに内蔵されているEnOcean無線モジュール)の消費電力を測定してみました。

実験方法
STM429Jの内蔵キャパシタをフル充電させた後、暗闇に放置し、約20分間隔で発する死活監視(ハートビートheart beat)発信を止めるまで自作のロガーに記録する。実験前後のキャパシタ両端の電圧を測定して消費エネルギーを見積もる。

実験手順と途中経過
1. STM429Jのソーラーセル部に自然光を十分当て(今回は直射日光50,000lxで2hour)内蔵キャパシタをフル充電させる。この時内蔵キャパシタ両端の電圧は3.11Vであった。
2. Raspberry Piベースで製作したロガーを起動させる(USB400Jで受信した信号をmicroSDに都度記録して行き、最後データを吸い上げてExcelで処理できるようにした)。
3. 段ボール箱にSTM429Jを入れてソーラーセルによる給電が行われないように暗闇にして、発信が止まるまで放置した。
4. 3/2の13:59:23発信開始し3/18の1:04:15に発信が停止した。トータル371時間で934回発信していた。この時の内蔵キャパシタ両端の電圧は2.154Vであった。キャパシタの容量は250mFである。

実験結果
放置開始時にキャパシタに蓄えられていたエネルギーは1/2 x C x V^2=1/2 x 250 x 10^(-3) x 3.11^2 = 1.21 Joule
発信終了時のキャパシタに蓄えられていたエネルギーは1/2 x C x V^2=1/2 x 250 x 10^(-3) x 2.154^2 = 0.58 Joule
よって934回の無線発信で消費したエネルギーは1.21-0.58=0.63 Joule、一回あたりだと675uJ(micro Joule)になる。

注意事項
1. 実験開始時キャパシタをフル充電にするために50,000lxの直射日光に2hour当てているが、この条件は実使用環境では起こらない。実使用環境でキャパシタがどの程度充電されるかは別途評価を要する。
2. 実験中は光が全く当たらない環境で、マグネットセンサーも動作させていない。無線発信をしていない状態、またマグネットセンサーが動作した際、の消費電力は別途評価を要する。