賽は投げられた

by カエサル(シーザー、ローマ皇帝)

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注:以下の文章は、2011年11月、電池レス無線に注力するぞ、と社内に誓った時のものです。この後、もう一度、賽は投げられた、と感じた瞬間が訪れます。

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昨今ニュースで、ギリシャの債務問題に端を発するユーロ危機、円高、TPP、タイの洪水による製造業の減産、などを耳にすると思います。 世界中が経済でつながっており、日本の地方だからと言って無関係ではいられない時代になりました。

国の各種規制に長らく守られてきたため世界的な競争についていけなくなってしまった業界がいくつかあります。農林水産業、医療(製薬・機器含む)、教育、等々。無線もそのうちのひとつでしょう。

中途半端な努力では中途半端な成果しか得られない世の中になりました。死に物狂いで競争に勝とうとしている人たちに勝とうと思えば、それ以上に死ぬ気でやらなければなりません。我々が生き残ろう、勝ち抜こうとすれば、国内にとどまらず新興国を含めて全世界の誰よりも優れているものを持たなければならないということです。

我々には新しいことをこなして行けるだけの能力はあると信じています。新しいことに常にチャレンジして行きたいという意思もあります。そしていずれは何かひとつでも、全世界の誰よりも優れたことができるようになる日が来ます。

根拠の薄い期待は断ち切って、前向きに気持ちを切り替え、自らの能力で積極的に社会に貢献していく会社にしていきましょう。

 

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我慢さえできればうまくいったも同然だ

by 故スティーブ・ジョブズ(前アップルCEO)

ご存知、数限りないヒット商品を飛ばしたアップル共同創業者・前CEOの言葉だけに重みが違います。

「情熱がたっぷりなければ生き残ることはできない。それがないと人はあきらめてしまう。だから情熱を傾けられるアイディアや問題をもっていなければならない。正したいと思う誤りでもよい。さもないと、こだわり続けるだけの忍耐力が持てない。我慢さえできれば、うまくいったも同然なんだ」

私は普通の人よりずばぬけてひとつのことにこだわり続ける執念があります。我慢ができない人はどんどん脱落していきます。だからこそこだわりのある、あきらめない、我慢強い人が生き残るのです。

儲からないからと言って簡単に損切りする資本家と私のような事業家とは思考回路が全く違うと最近つくづく思います。

 

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変化する者が生き残る

キリマンジャロの麓には360万年前に2足歩行を始めた人類の祖先の足跡があるそうです。ここは住みやすさのために住みにくい場所への移動を怠り、多様な経験を積むことなく、この地に文明が発達しなかったのではないかと言う人がいます。

日本を始めとする文明国は、基本的な衣食住に加えて、医療、通信、輸送手段が進歩しており、この環境で棲息している”ヒト”は動物の”種”としてはこれ以上進化しないのではないでしょうか。狩のために速く走れるようになったりはしないし、柔らかいものを食べ続けた結果、顎や歯が退化し始めていますしね。
(話が逸れますが、あなたの足の小指の関節は3つですか?2つですか?)

単細胞生物が苛酷な環境に耐え続け、何億年も進化し続けてきた結果が現代人ですが、自分たちで心地よい環境を作り上げた結果、これ以上”生物”としては進化しない、できなくなってしまった、ということです。ここで大規模な天変地異があったら”種としてのヒト”は残るでしょうか。

今の居心地のいい環境に満足することなく、新しいこと、過酷なことにチャレンジし続けること。これが自らが進化し生き延びていくための条件と考えています。

 

二番を目指すことは有り得ない

数年前、民主党政権時代に政府予算のムダを洗い出す「事業仕分け」がありました。中でも私が注目していたのが「国産スーパーコンピュータの開発」でした。若かりし頃スーパーコンピュータ(以下、スパコンと略す)の開発に少し関わったことがあるからということもありますが、古巣の企業が新規開発を凍結したり、一時期世界一を誇った国産機が2009年11月現在31位という事態に日本の国力が衰退していくことを憂慮していました。その後予算がついて理化学研究所の京が一時期トップになり、最近はちょっと下げたにせよ世界4位に入っているようです。ただこのままずるずるランキングを下げていくと中長期的には日本の科学技術に確実に影響を与えます。新薬や新材料の開発によその国のスパコン使わせて、とお願いしても後回しにされたり、断られたりしたらおしまいですから。

テレビ中継された事業仕分け作業のなかで、元タレントの女性議員が「一位でなきゃだめなんですか?二位ではだめなんですか?」という質問をしていたのが印象的でした。科学技術と言うものがわからない一般人・素人はこんなものかもしれませんが、こういう人々に国家の行く末を決められたらたまらない、という思いも持ちました。

科学技術と言うものは二位を目指すことはありません。エリシャ・グレイという人を知っている人はほとんどいないと思いますが、グラハム・ベルの2時間後に電話の特許申請をした人です。発見や発明は一位でないと価値がないのです。「スパコンで世界2位を目指します」と言った瞬間に「日本は二流国になります」と宣言するようなものなのです。

モノ作りも同じようなことが言えます。世界のどこかで自分たちの作っているものより価格や性能で優れたものが作れるなら我々に仕事は来なくなるからです。日本が製造業を生業として生き残っていくためにはどんなにミクロなことでもいいので世界一を目指さねばなりません。そのためにまずは「世界一になれる種」を見極める必要があります。更に言うならそういう「事業仕分け」ができるほどに金銭的にも能力的にも余裕を持つことです。まさに今が正念場です。

 

 

有言完遂

今を去ること32年前。新入社員として会社の寮に入る当日の昼。ふらりと入った近くの小さな食堂にて。そこの店主に唐突に
「あんた、新入社員でしょ。不言実行で頑張んなさいよ」
と言われてびっくり。新入社員然として不安そうな自分を元気付けようとしたのか、誰にでもそう話しかけているのか。そんなものかな、たまにそんな言葉を思い出しながら10年近く働きました。そこそこ成果は出たものの、10年頑張って残った思いは、「黙々と働くのも大事ではあるが、それだけじゃだめなんじゃないか?」という疑問でした。周りに「やる」と宣言して、人を巻き込む、協力を求める、時にはリードする、ような人間になりたい、という思いです。
縁あって長野の地に移ってからは有言実行で頑張るぞ、と誓いました。

ところが10年ほど働いて、失敗続きのプロジェクトを見るにつけ、これでもだめだ、との思いを強くしました。「実行」だけでは不十分なのです。よく頑張りました、でも結果は残念でした、では世の中に何も貢献していないのです。やり遂げなければ。やり抜かなければ。それから
有言完遂(ゆうげんかんすい)

を座右の銘として今に至ります。目的貫徹のためには手段を選ばない、冷たさ、非人間性を感じることもあるでしょう。しかし「有言完遂」することが、期待されながらもそれを裏切ってきた人々への謝罪と、自分を育て強くしてくれたことへの感謝の意を表すことになるのではないか、との思いの方が優ります。

果たして今の職責を貫徹、やりかかった仕事を完遂するにはどうすればいいのでしょうか。

 

 

段取り八分

格言とは先人たちが日頃考えてきたことが一言に凝縮されているものだと思いますが、自分の考えとぴったり合うものが見つかると、昔の人たちも同じようなことを思い悩んでいたのだな、との意を強くします。

マネージャになってから知った言葉が「段取り八分」。因みに後に続くのは「仕上げは二分(仕事二分)」だそうです。要は仕事の成否は計画段階で80%決まる、計画に80%の労力を割くべき、と言うような意味です。皆さんも思い当たる節があるのではないでしょうか。

毎朝、仕事に取り掛かる前。大きなプロジェクトを始める前。関わる人・物・お金の流れを押さえて計画をじっくり練りましょう。自分の仕事の順番が回ってきて「さあどうしよう」、納期が迫ってどたばたする、そんなことではクオリティの高い仕事、高品質の商品などできるわけがありません。

稟議書を回したり社内の合意を得なければならないとき。今すぐ決裁しないとお客さんに迷惑がかかる、今すぐ決断しないと余計な仕事・費用が追加でかかる、というような脅迫めいた決裁依頼を平気で回したりしてませんか。中身を理解せずにサインして構わないなら社長は猿でもできます。

計画の重要性という意味では会社経営や自分の人生設計などにも当てはまります。来年はこうありたい、こうなっていたい、というのであれば今どうすべきなのか?

計画をじっくり考えた時間は無駄ではなかった、と思える日が将来必ずやって来ます。